MONVISO生えた
僕は趣味に関して基本的に増えることはあっても減ることはあまりない、力が入ってなかったりお休みしたりすることはあっても。
例えば今回、数年ぶりに万年筆が生えてきたわけだが、これは数年前に欲しい万年筆を買い集めていてある程度ゴールした感覚があってあとは毎日使うだけになっていたのが理由だったりする。
そのゴールにあたるのが外国産万年筆であればPelikanのM1000とM1005。(あくまでも僕的なゴール)
これらの万年筆はペン先が柔らかくしなるのでフワフワとした書き心地とペンクリニックで調整されてインクがドパドパ出るようにしてるので書いててとても快感。
ただこれらの万年筆ってペン先の特性上、ざっくばらんに書き散らかしたい時にはあまり向かないと個人的には思っていて、そっちの普段遣いはプラチナ万年筆(国産)の#3776Centuryが硬いタッチで使いやすい。
ただ、何かこう……これに相当する書き味でもっといいのないかなぁとか血迷ったわけで……。
そうだAURORAがあるじゃないか
数年前から文具店にいくと目に入っていたし、書き味についてもしなりの少ない硬めのペン先、サリサリとした感触みたいなレビューは見ていて気になっていた。
何より軸がキレイ。アウロロイド樹脂が……。
特に気になっていたのがオプティマ、軸折れするとか色々と聞くので最初の一本には絶対向かないのだろうけど万年筆をある程度使ってきているし行ってみるか……と。イタリア産だけど老舗だけあってペン先等が品質的にも結構安定しているらしいと。
んでまぁ、前にSouveränM1005を通販で買ったサイトを眺めていた。
そしたら何か異様に安売りされているのを見つけてしまった。モデル名にオプティマが入ってないからなのか……?
黒と白のアウロロイド……いいじゃない。(一目惚れ)
注文したら実は在庫切れだったので、ガックリ来たわけなんだけど、一目惚れに近かったので……。(買うスイッチ入ってる)
ならば他の店で……出てきたお店は前に失敗して警戒しているところだけど、もうこれが新品で買える店ってそうそう無さそうだし、よほどの破損がなければペン先の調整に出せばいいかみたいな感じで行ってしまった。
しかし、よくわからんけど箱から偉い立派。(今まで買ってきた中で一番立派)
金色してる万年筆ってあまり得意じゃないのもあってとても刺さった。(ペン先はバイカラーなのが好きだけど)
箱出し
販売店が販売店なので少し警戒していたけど、軸はキレイ。
ただ当然試筆には供されていたみたいで、使用前に洗浄したら少しインクが残っていたけど、まぁそれはどこでも一緒だ。
この万年筆のベースになったレギュラーモデルのオプティマは14金のペン先なのだけどこれは18金。
金の含有率は違うけど書き味はほぼ一緒らしい。
キャップの天冠の側面にはシリアルナンバーが振ってある。
360本限定生産なので000/360って感じで。
例のインク窓とラーメンマークとか云われるグレカパターン(メアンドロス)、そしてこの状態で香る強烈な硫黄臭。
温泉かな……?(ペン芯がエボナイト製でそれから出てるっぽい)
試筆
今回入れたインクは先日に購入したPARKERのブルーブラック。
吸入式そのものは初めてではないので、いつも通り尻軸を回してから吸入……。(長く在庫されていたからか尻軸が最初だけメッチャ硬かった)
ペン先の太さはMで字幅的には国産のMよりやや太いかな? くらい。(うちのインクフローが良くなってるSAILORのプロギアΣと同じくらい?)
実際にしばらく使ってみてもっと細かいのがいいとなったらペン先調整で研磨してもらってサイズをFにする選択もある。(細くするのはあとからでも出来る)
紙へのアタリの硬さは期待通り、ただMでそこそこインクフローが良いみたいでサリサリという感じではない。
吸入直後はペン芯にインクが潤沢にある状態なので問題は無かったのだけどある程度減ってきたら書き出しでチョイチョイスキップするようになる。
僕の筆記角度や筆圧が低い書き方と恐らく合ってないかもしれない。(ペン先調整かなぁ)
並べてみるとMONVISOが小振りなのがわかると思う。
とても軽くて、ペン先の紙への当たりの感触もいい具合で、キャップをつけないで持つときのバランスもいい具合なのでメイン万年筆にできそう。(基本的にキャップ付けて使う人だけどこれはナシでいい具合かも)
ちなみにM1000は字幅がBなので近年の出番は極めて稀だったりする。(インクドバドバ出て書いてて気持ちいいが)
M1005の字幅はFなのだけどこれまたインクフローが良くて国産のMより太い字幅になる。(字幅MのMONVISOより太い)
噂の軸折れとは
アウロラのオプティマで有名な故障(?)に軸折れがある。
MONVISOはベースはオプティマ系らしいので当然気をつけなければならない。
接合してある部分なのでどうしても構造上弱いらしいのと直近にキャップ取り付け用のねじ切りがあってキャップを強く締めると負荷が掛かってポキっと……ググるとグロ画像()が出てくるので興味のある方は見てみると良いかもしれない。
近年のモデルはインク窓の素材変更等で対策しているらしいのだけど、このモデルがそうなのかはわからない。(少し古いモデルなので……)
ただ、キャップをゆっくり締めた感じだと明らかに手応えが変わるところがあるのでそこで締めるのを止めるようにすれば多分問題ないと思う。
限定モデルなので修理するにしても部品が出るか不明なところもあるので大事に使っていこう……。