AURORA BAIA
先月に購入したAURORA 360 Monvisoなのであるが、ペン先をマエストリートさんへ調整に出したところ、驚くほどに気持ちの良い書き味に仕上がったこともあって、僕の中でAURORAの筆記感はかなりアリ。
書写で日本語、特に漢字を人に見せることを前提として(上手い下手いはともかくとして)丁寧に書くことを心掛けた場合はこのM字幅のヌルヌルとサリサリ感のバランスが絶妙だという結論に至った。(アルファベット主体の場合や字を崩して書く場合はPelikanの当たりの柔らかいペン先とヌルヌルしたフローが最適かな?)
今回はネットサーフィンをしていたら2022年11月頃に発売されたAURORA Il Viaggio Segreto in Italia Baia di Napoliの深い青を基調とした美しいアウロロイド軸が目に入ってきた。
これはIl Viaggio Segreto in Italiaというシリーズテーマで、日本語にするとイタリアを巡る神秘の旅とのこと、今回僕が入手したのはシリーズ第3作のBaia di Napoliとなる。(通称BAIAーバイア)
アウロラといえばアウロロイド樹脂の青や赤い軸が印象的でモンヴィゾの黒と白ベースのシックな装いも好みではあるのだけど、アウロラらしさという感じではない。今回はポッと目に入ってきたのがナポリ湾にあるバイア海底遺跡がデザインのテーマということで青を基調に好きな色である紫系青色が斑に入っていたのが個人的にはクリティカルヒットだったのもあり我慢できなかった。
実は同一シリーズのIl Viaggio Segreto in Italia(全8種を予定、先日にシリーズ折り返しの第4弾Buranoーブラーノが発売された)には第1弾モデルで空を思わせる明るい青いと白の軸を持つMateraーマテーラも存在していてそちらにも惹かれるものがあったのだけど、ファーストインプレッションでぐっと惹かれたBAIAーバイアを注文した。
今回は海底遺跡がテーマということで外箱のデザインもそれに準じたものとなっている。
届いた際の第一印象はダンボールに梱包されている状態の段階でAURORA 360 MONVISOよりも大きく……そして重い。
個人的にはモンヴィゾの段階でも他社を寄せ付けない豪華な箱をしていたのだがそれを上回る。
この箱が丈夫で大変重い。
こういう細部でテンションが上がる。この蓋にもなっている万年筆本体を固定している板状のものの下にはバイアのイメージがデザインされた栞や取扱説明書、保証書などが入っていた。
今回の万年筆には限定インクの小瓶が付属する。
限定品で開封する気が起きないのでストックインクへ回す……。
ペン先は字幅Mでペン先については調整の有無こそあれど、AURORA Optima(オプティマ)をベースにする360 MONVISOと同一。
ただ、モンヴィゾが天冠と首軸、尻軸はアウロロイド樹脂製ではないのに対して、バイアはすべてがアウロロイド樹脂製で且つこの色味ということで派手。
どちらもリザーブタンクつきの現代モデルなので性能は恐らく大差がないと思われる。
ペン先については両方とも限定モデルなのでレギュラーモデルに採用されている14Kペン先ではなく、18Kペン先ではあるが書き味には特に差はないと聞く。
ベースとなっている万年筆がモンヴィゾは1930年代Optimaのデザインをルーツに持つ現代のOptima、バイアが1950年代88のデザインをルーツに持つ現代の88であるので外観が異なる。(今ではペン先を共通化しているようだが、当時のモデルならペン先もそれぞれ別だったようだ)
モンヴィゾはデザインが気に入ったのもあるのだけど、価格改定前モデルの店頭在庫品ということで旧価格のままであり、今となっては比較的安価だったのでアウロラの書き味を知りたくて試しに買った側面があったのだけど、思った以上に気に入って1ヶ月以内でおかわりしてしまったのは我ながらどうかしている。
ただ、万年筆に初めて手を出したときも似たようなものだったので平常運転と云われればそう。
近いうちに試筆も兼ねてインクを吸わせたいのだけど、何を入れるか思いつかない。
ブルーブラック系は現在4本の万年筆に入れているので別の色にする可能性が濃厚だ。
左から書き味が硬いペン先を持つ万年筆で右に行くに従って柔らかいペン先を持つ万年筆となっていく。
例外は中央のLAMY AL-starが収まっているところでここは頻繁に取り出す鉄ペンを収納する。
万年筆本体の出費が続いたのは3年ぶりくらいになるのだけど、これで満足したのでまた数年はもう増えないであろう、多分……恐らく。(インクはのんびり増やしていくと思う)